感謝の気持ちを温泉旅行に表す

ユニークな営業を次々に打ち出し、業界誌でもたびたび取り上げられてきたホールがある。
ところがオーナーはメディア嫌いなので、一度も業界誌に登場したことはない。

オーナーといって40代の2代目経営者。
2店舗を引き継ぎ、自分の力で11店舗まで増やした。

このオーナーには夢があった。

それは毎日ホールに来てくれるお客さんと温泉旅行へ行くことだった。
最近、そのオーナーはそれを実行した。
60歳以上のお客さんを対象に、150人を日帰りの温泉旅行に無料招待した。
幹部はオーナーの夢に対して「面倒くさい」という理由から反対したが、最後はオーナーの熱意に押し切られた。

大型貸し切りバス3台を連ねて、温泉旅行は挙行された。
オーナーはバスから降りてくる人、一人一人の手を取り、握手した。

「パチンコ営業は直接お客様と触れ合うことがなかった。温泉旅行を通じて直接お客様と触れ合いたかった。利益を出しているのはお客様のお陰。恩返しをしたかった」

温泉に浸かった後は大宴会が繰り広げられた。
舞台ではこの日のために練習した幹部による時代劇の寸劇が披露された。
そして、お酌をして回った。

宴会場はホールの粋な計らいで感動に包まれた。

翌日は旅行に行った150人のうち、120人が朝から店に並んだ。中にはオーナーにお礼の手紙を携えていた。その数は一人や二人ではなかった。

「ありがとうございました。一生、●●●●へ行きます」

手紙を読んだオーナーの目にはキラリと光るものが流れた。

温泉旅行は現在2回目まで行われているが、行政から「利益供与」とあらぬ詮索を受ける可能性があるので静かに挙行されている。

こうした感謝の表し方もあるわけだが、普通は頭で思い描いてもなかなか実行できるものではない。それを実行してしまうことが、このチェーン店の強さの秘訣でもあろう。

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