セ・リーグとパチンコ業界

セ・リーグとパチンコ業界

3月11日に発生した東日本大震災は、被害の大きさや原子力発電所の爆発事故で、戦後最大の国難ともいえる状況を突きつけられている。まずは、お亡くなりになった方々のご冥福を祈ると共に、被災者の皆さまには謹んでお見舞い申し上げます。

計画停電が実施されている東電管内では、菅首相自らが国民に節電を呼びかけた。これを受けて東京の鉄道各社は大幅に運行本数を減らしたために、通勤、通学の足は大混乱した。

サラリーマンが帰路に着く都心の各駅には長蛇の列ができた。電車に乗るだけで1時間も2時間も待つ駅もあった。苦労して乗った車内は普段以上にすし詰め状態。そんな車窓から、通常通りに営業しているパチンコ店の灯りが見えてくる。周辺の店舗が閉店時間を早め、電気を消しているので嫌が上でも目立つ。

この光景を目の当たりにすると、車内からは「俺たちはパチンコ屋のために協力しているのか!」と怒りにも似た不満の声が漏れてくる。

都遊協の対応は早かった。
3月14日から営業時間を午前10時から午後6時までと決め時短営業を実施した。

ところが、初日から足並みは乱れた。
一部のチェーン店が組合の自主規制を破り、午後10時半まで営業を続けた。

組合からの再三の要請にも関わらず、規制は守られなかった。違反ホールに組合が折れる形で、時短営業は数日間で10時間営業に方針が切り替わった。

駅前店舗にすれば夕方からの稼働が上がる。
開店時間を遅くして、夜の営業を取ることになる。
ネオンや看板の照明は落としていても、店内の明かりは漏れてくる。

国難ともいえる非常事態で、計画停電区域内でのパチンコ店の通常営業は、「社会悪」かのようにネットの世界で叩かれ、パチンコ不要論まで出てくる始末だ。

復興のメドもたたない時期に、予定通り3月25日開催しようとしたセ・リーグにも世間の非難が集中した。

これには、まず選手会が反旗を翻した。被災地では未だに生存者の捜索が行われ、避難所生活はまだ始まったばかりだ。

こんな時期に被災者に野球観戦を楽しむだけの心の余裕がないことや東京大停電も危惧される時に、大量の電気を使う東京ドームで開催することは、時期尚早と考えたからだ。東京ドームはデーゲームでも照明や空調が必要なため、約5000世帯分の電力を消費とする。

25日開催を譲らないセ・リーグに対して文部科学省も動いた。東電管内以外での開催や、ナイターを自粛することを求めた。世論調査でも9割以上が25日開催に反対した。

選手、国民、政府から延期を求められた結果、開催日を3月29日に延期した。
これで東京ドームでの開催は4月5日となったが、この時期に計画停電が解消されているわけではない。
選手会は4月12日のセパ同時開催を要求しているので29日開催も流動的だ(3月21日現在)。

プロ野球といえども、世間は空気が読めない行動には、容赦ない非難を浴びせる。
電力事情が落ち着くまで、東電管内の球場は使わず、地方球場に組み替えれば、地方の野球ファンを増やす好機ともなる。
西日本ならナイター開催でも問題ない。本来ならそれぐらいの発想の転換も必要だろう。

人間はパチンコがなくても野球がなくても生きていける。
つまり、レジャー産業は世の中が平常時に、余暇を楽しむ産業である。被災地に復興の槌音が聞こえ始めた時に、娯楽も自然と求められる。

非常時でもホールが営業を急ぐのは、金融機関やメーカーへの支払いや従業員の給料の支払いなどがあるためだろう。企業活動を止められないのは何もパチンコ業界だけではない。

ホール企業の中には、地域との共生や社会貢献を掲げるところが少なくない。
国から節電を求められれいる時には、業界が足並みを揃えて協力することが地域との共生であり、社会貢献である。節度のない行動は社会から反感を買い、客離れを加速させることにもなる。

ただ、日本全体が自粛ムードに包まれることは、経済活動の停滞を招く。
被害のない西日本に住んでいる人は普段通りの生活を行うことで、経済を回し、景気回復に協力しなければならない。ホールは普段通りに営業して、税金をしっかり納めることが復興支援とつながる。

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