若手は上司の背中を見ても育たないvol.2

若手は上司の背中を見ても育たないvol.2

前回の「若手は上司の背中を見ても育たない」の続きとなります。

トレーナーは新人にどう教えたらいいのか、「作業OJT」の具体的な流れを記します(これはマニュアル作成と同等です)

まず、新人が配属される前の準備として、トレーナーは自分の仕事をリストアップします。
通常業務のほか、やらなければならないけれどもやれていない仕事についてもピックアップし、部下に仕事を任せることで空いた時間を使って自分は何をしたいのかを考えておくとよいです。
大まかなリストアップ終了後は、一つひとつの仕事をさらに作業ごとに分解し、新人に任せられるものを選定します。
任せられるか否かの判断は、お客様への影響度、仕事の大きさなどの重要度、質などで、作業の難易度を踏まえて行うと良いでしょう。
それをもとに作業をランク付けし、最初は重要度と難易度の低いものから任せられるように育成シナリオとスケジュールを作成します。

また、作業に対する要求水準についても決めておく。何をどの程度できたら、このスキルおよび業務は習得したと見なすかのラインを明確にするのです。
その際、現在の自分と同じレベルを求めるのではなく、自分が初めてその仕事をしたときに、どこまでできたかを基準に設定することを心掛けます。
これら準備作業をすることは、OJT期間中のスムーズな指導を可能にするだけでなく、自分の仕事を体系的に捉え直すよい機会となります。

的確な指示で分解した仕事を叩き込んでいく

新人が配属されると、実際に作業指示を出すことになりますが、ここが人材育成のポイントなので指示の出し方は丁寧に。
「これをやって」という指示ではなく、部分的に仕事を任せるにしても、作業の目的を理解させ、その仕事がチーム全体に対してどのように貢献するのかを教えることが重要なのです。
また、指示を出す際には、必ずリスクポイントを提示する。どこでどういう情報を報告・連絡・相談しておかないと失敗するのか、失敗したときにどういう結果が待っているのか理解してもらうのです。

具体的な指示を出さずに、ただ「報・連・相が大事である」と伝えても、新人には理解できないのです。

報告で伝えるべきことは、進捗状況と成果、問題点、残作業の4つ。
連絡は、事実を周りと共有する作業。
緊急性とレスポンスの必要性を確認する。
相談は、問題解決のプロセス。
問題の大きさを見極めるよう指示し、解決策を提案するよう促す。

指示をして作業をさせたら、最初の段階では、まめに自分から声をかけるなどして、新人の作業の状況をモニタリングする。
放置すると新人の作業ミスや作業の停滞などに繋がる危険性があります。

仕事を振る段階で作業を細かく分け、新入社員が行う作業の単位時間を短く設定することが鉄則です。
仕事を細かく分解することで、1日の仕事を時間単位、分単位で捉え、モニタリングすることが可能となります。

次のステップは新人の作業に対するレビューです。
作業の成果とプロセスに着目し、良かった点と改善点を示します。
フィードバックの原則は「褒める・叱る・褒める」です。

次に解決すべき課題を示す的確なレビューこそ新人を伸ばす一番のポイントとなります。
レビューについては、空き時間を有効活用し、日々のコミュニケーションの中で行えばよいのです。
「作業OJT」では、新人が一つひとつの作業を習得するまで「指示→モニタリング→レビュー」を繰り返します。
そのうえで、最終的に全体の仕事を覚えさせていく。そうすると、新人の得意・不得意の見極め、できているか否かの判断がしやすくなる。

山本五十六氏の有名な言葉に「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かず」という名言があります。

仕事には、難易度が高く言葉で説明しても伝わりにくい「やってみせる型」の仕事と、手順通り教えれば新人でもできる「言って聞かせる型」の仕事があります。
前者は、新人自身の自発的な学びや先輩のやり方を盗む力に頼りがちだが、それは教えることを放棄しているにすぎません。
とくに新人が仕事の壁にぶつかったときには、やってみせながら上司として経験に基づくやり方を教えるべきです。
新人が壁に突き当たったときこそ、教える絶好の機会なのです。
言って聞かせる型の仕事は言うまでもなく、「背中を見て覚えろ」では効率が悪いのです。
面倒に思わず一度きっちりと教えれば後で、実は自分が楽になるのです。
この「作業OJT」を実践することで、新人が仕事を習得するスピードが格段に速くなります。
その理由は、非常に厳しい環境の中で「上司の技を盗むことでうまくやれ」という独立独歩の仕事習得は実は極めて非効率だからなのです。
一見、面倒に見えますが、新人に任せられるような仕事は言葉で説明し、計画に基づいて教え込んだほうが効率が良いのです。

では!また。

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