2010年 採用一直線総括

2010年 採用一直線総括

2010年も残すところわずかとなってまいりましたが、今回は当コラムの年間総括を行います。

まず、新卒採用における求人倍率の動きを見ますと、08年卒は2.14倍となり求人総数はバブル期を上回り「超売り手市場」となりましたが、同年9月のリーマン・ ブラザーズ破綻による「リーマンショック」により、企業の採用意欲は大きく減退し、10年卒の求人倍率は1.62倍までダウンしました。

また、11年卒は更に冷え込みが強くなり、10月時点での内定率が57%と調査開始以来、最悪の数値となり就職氷河期を下回る結果となりました。

ただし、この低い内定率の原因は、企業の採用意欲の減退だけが全てではなく、「全入時代」という言葉に表されるように、大学進学率が倍増しており1990年に25%だった進学率は2009年には約50%になっており、1990年には40万人だった大学卒業者は2010年には55万人にまで増加し、母数の増加による学生の質の二極化現象が生まれています。

ようは20年前には、ある程度、担保されていた四大卒の質が、全入時代の到来により維持できなくなっているということなのです。

新卒求人倍率の推移

■選考プロセスの疲弊

インターネットでの就職サイトを中心とした就職(採用)活動が、構造的に疲弊してきている。

例を挙げるならば、採用活動の入口となる「会社説明会」ですが、アッという間に席が埋まってしまう状況です。
企業側は活況で良いように一見思えますが、実は志望度の高くない学生が多くエントリーしてしまい、本来、出会いたい学生との出会いを阻害してしまっているのです。
そこで、人気企業などはエントリー時点で学校名で足切りをしている企業もあります。
その影響で、今度は学生が防衛策として、エントリーできる企業には続々と志望度に関係なくエントリーしてしまうため、人気企業以外でも予約が早期に満席になってしまうが、当日はキャンセルが続出し、結果として席が空いている状態になるという負のスパイラルに陥っています。

まさに、大学生の総数が飛躍的に増加するという構造の変化に企業の採用プロセスが追いつかない状態となってしまったのです。

ゆえに、内定率の低下・就職氷河期という言葉だけで、「今なら優秀な学生が採用できる!」と考えるのは、とても危険です。

現状を良く把握し、適切な採用プロセスを構築して実施しませんと疲弊した選考プロセスの渦に巻き込まれ、とにかく忙しく応募受付や説明会・面接に追われるが、一向に採用ができない状態や、箸にも棒にもかからない者を採用してしまう結果を招いてしまうのです。

■採用活動は営業活動である

今のような「買い手市場」では、就職サイトに情報を出しているだけで、相当数のエントリーがありますが、これだけでは優秀層の確保はできません。
これは店舗の営業で言えば、何もしないで、ただ店を開けているだけで、限られた常連客だけで営業しているようなものです。
自社の求める人物像を明確にし、その人物はどこで何をしているのかを想像し、その人にアプローチしていかなくてはいけないのです。

実際、買い手市場と言われる現在でも、先々では「エントリー数・説明会の参加人数が昨年の二倍になったが優秀な人材は少ない」や「内定を出しても内定承諾書がもらえない」等々の声を聞いています。

それゆえに、今の時期に新卒採用の仕組みと体制を構築する必要があるのです。

今回の更新が、今年最後になります。1年間お読みいただき、ありがとうございました。
また来年もよろしくお願いいたします!

では!よいお年をお迎えください。

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