中途採用における現場主義の誤謬

中途採用における現場主義の誤謬

あるパチンコホール企業での話しです。
その企業はトップダウンで非常に強い「現場主義」を貫いている企業です。
ここでは、現場の意見が全てであるため、人事に採用権限はなく、現場の意見が最優先になっており、かつ、現場と人事には大きな壁があり、ほぼ認識は共有されていませんでした。よって、現場は人材マーケットの現状を理解していないため、現場の中途採用における要求は「スキル豊富、即戦力になる人」になっていました。

この企業に限らず、現場はたいてい人材マーケットを理解せずに欲しいレベルの人材を素直に欲しいと言います。

また、この企業の中途採用がうまくいかない最大の理由は、現場主義の名の元、面接官を面接のトレーニングを受けていない、現場社員に任せてしまうという状況になっていたため、面接でどんどん不合格とされていました。
その面接官の出す不合格の理由は、「根性が足りないように見えた」や「経験不足」が挙げられていました。

これは、「自社の立ち位置を理解していない」うえに、人材育成感覚がなく「ポテンシャルを考えていない」のです。現場に「余裕がない」「教育できる人がいない」というのは言い訳です。
「即戦力」とは、良く聞く言葉なのですが、本当の意味で「即戦力」となる方が応募されることは極めて難しいといえます。

ですから、採用担当の方は、「真の現場主義」を見出す必要があると考えます。「真の現場主義」とは、現場の意見を良く聞いたうえで、本質を見極め、現場に対して「スーパーマン」は自社では採用ができない旨を現場に理解してもらい、人事と現場で採用基準を明確にし、入社後のフォローまでの意識を共有する仕組みを作り上げることだと考えます。

本来、人材採用とは企業と働く人のマッチングが全てなのであって、選考は人の過去の経験や能力の優劣を見極めるものではなく、自社との相性を見るものなのです。

京セラの創業者で日本航空を再建された、稲盛和夫さんは「人生・仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力」とおっしゃられています。

これは、どんなに情熱を持った能力の高い人でも、「考え方」がマイナスであれば、全てマイナスになるということなのです。

つまり、人材採用においては「価値観の共有」ができない人を採用してはいけないのです。
価値観とは「何を良いと思うか」という「観点」を指すと考えられます。
ある人は、沢山お金がある状態を「良い」と思い、ある人は、愛する人と共に過ごすことを「良い」と思い、ある人は、責任の有る、やりがいの仕事があることを「良い」と思う。

良いと思う=そこに価値を見いだすことです。 

どんなに能力が高くとも、どんなに実績があろうとも、自社の価値観に共感してくれていない人は、決して定着しないからです。価値観を共有しつつ、コミュニケーションを取り、同じベクトルで共通の目標に向かっていくからこそ、厳しい状況を打破していけるのです。 

そんな人を人事部は現場と徹底的に話し合って採用しなくてはいけないのです。

では!また。

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