愛社精神

大手求人サイトが入社2年~5年の若手社会人と内定学生を対象に「仕事に関する意識調査」を実施した際に「今の会社に「愛社精神」があるか」と尋ねたところ。
内定学生の78.4%(「非常にある(25.5%)」+「まあまあある(52.9%)」)が「愛社精神がある」と回答したが、これは前年比10.6%減となっている。

ただし、内定学生において「愛社精神がある」と回答した人のうち、95.4%が「働くモチベーションがある」と回答しており、これに対し「愛社精神がない」と回答した人の中では、「働くモチベーションがある」と回答した人が70.4%となり、愛社精神の有無による差は25.0ptとなった。
さらに若手社会人では、「愛社精神がある」と回答した人と「愛社精神がない」と回答した人との間に、「働くモチベーションがある」では34.1ptの差となっている。
愛社精神の有無が働くことへの意欲や、ひとつの会社で働き続けたいという帰属意識に影響を与えており、内定学生と比べ若手社会人の方がその影響が大きいことが伺えます。

ところで、愛社精神とは何か?

以前の終身雇用・年功序列をベースとした家族主義の下、かつてのような「従属と保護」を前提とした愛社精神は薄れており、これからは会社に対する誇りの有無が忠誠心を支えると考えられます。
では、忠誠心の元となる「会社の社員に対する愛」について考えてみたいと思います。
なぜなら、社員に愛を求めるのであれば、会社も従業員に対して愛情を抱き、示さなければフェアとは言えないからです。

まず、そもそも会社は自社で働く社員を愛するべきなのかについて考える必要があります。
それは会社の価値観、特にトップの人材理念によって考え方はさまざまであり、必ずしも愛するべきだとはいえないのです。

会社によっては、人材は「人・モノ・金・情報」という経営資源の中の一つであり、最大限活用すべきものであると考え、また、従業員に対して愛社精神は求めず、会社を個人の成長の場として活用してもらいたいと考えているところもあります。
ただし、こうしたドライな企業であっても、「不当に扱っている」ということではないのです。

一方、人材理念の中に社員に対する愛情を盛り込んでいる企業もあります。
例えば「人は会社の財産であり、人あっての会社だと考えている」や「できれば長く勤めてもらい、一緒に会社を支えて欲しい」といった考え方です。

ドライな会社と家族的な会社のどちらが良いのか、それを判断するのは働く人々です。
会社がそれぞれ独自の人材理念や価値観を持っているのと同様に、個人の労働価値観やモチベーションリソースも様々です。

俗に「良い会社」という言葉が使われますが、この「良い会社」の定義は様々で、自分自身がどのように感じるかが大切なのです。

社員に愛社精神を望むのであれば、企業は愛情を社員に示せなくてはいけません。
愛情を示すことができないにもかかわらず、社員に対して愛社精神を望むのは身勝手と言わざるを得ません。

もし社員の愛社精神が薄くなったと感じているのであれば、まずは企業側の社員に対する愛情の度合いを振り返ることが大切です。

人材採用は恋愛に例えられることが多いですが、まさに「愛されたいのであれば、まずは愛すること」であり、「相思相愛」を目指して企業は社員にコミットしなくてはいけません。

では!また。

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