良い定着率と悪い定着率

良い定着率と悪い定着率 

パチンコホールの経営者の方や人事担当者の方と「定着率」について、お話しを進めていきますと、多くの声として、パチンコホールにおいて定着率が低いことはある意味「仕方がない」と言われる方が多いのです。
その理由として挙げられるのは「重労働だから」や「今どきの若者だから」・・・というもの。
一見、ありがちな理由に思えますが、本質は「店舗のビジョン」や「顧客や仲間に対する考え方」といった価値観がしっかり示されていないことで辞めていくケースが多いのです。

また、定着率の向上やES(従業員満足)向上と言いますと、すぐに、福利厚生や昇給をイメージされる方がいらっしゃるのですが、本質的に関係性は薄いといえます。 
と言いますのも、定着率には「良い定着率と悪い定着率」があるのです。

□良い定着率と悪い定着率
「悪い定着率」とは、古株のモラルが高くない従業員が居心地が良いという理由で定着している状態です。定着率だけを意識してしまいますとこのような状態に陥りやすく、スタッフに対して注意や指導も行われずにスタッフの顔色を伺う状態が出来上がってしまいます。
具体的には、店長や役職者がスタッフに対して「こんなことを言ったら辞めちゃうかもしれないので言えないなぁ」と思う気持ちです。

「良い定着率」とは、あるべき姿にスタッフ全員が向かい、社員がイキイキと働き、会社やお店のことを家族や友人に自慢している状態を作ることです。
また、実はこのような店舗は、顧客サービスについて厳しい訓練がされているのです。

実は、多くの人は基本的に仕事を覚えたいと考えており、店舗で働くうえで早く戦力になりたいと考えているものなのです。
よって、「訓練は愛情を持って教えるのであれば、訓練が苦痛で辞める人はいない」のです。
「誰でも最初は仕事に対する興味を持ち、そして自分の力を試してみたい自分を活かしたいと意欲を持っている」のです。

ただし、厳しい訓練とはスパルタ式の事ではありません。
仕事の習得という点について妥協の無い厳しさを持って訓練することなのです。

このように、定着率には「良い定着率と悪い定着率」があり、良い定着ができれば、「人材の定着率向上⇒サービス品質の向上⇒業績の向上⇒待遇の改善⇒更なる定着率向上」というサイクルに入ることができます。

□社員の定着と顧客満足
顧客満足が企業の存続と成長にとって最も重要な要因であることは、異論の余地の無いところでしょう。
ただし、その顧客満足と社員の定着に相関関係があることを認識されている方は少ないのです。
つまり、実はごくシンプルに、自分の仕事や会社に満足している社員の方が、顧客の満足を作り出しているという考えなのです。

社員の忠誠心から顧客の忠誠心を予測できるのです。
社員が会社に対して愛着心を持っていれば、会社に対して抱く良いイメージや感情を顧客と共有しようとするのです。
顧客は、そのような会社自慢は好意的に捉えるのです。

では、基本的なところで、なぜ顧客満足は必要なのか?
こんな統計数値があるのです。「非常に満足している」と答えた顧客は「満足している」と答えた顧客の6倍のリピート率であった。
また、顧客満足度が5%上がると利益が25%以上上昇するという結果を出した企業もあるそうです。

ようは、定着率を上げるということは、単純に「採用・教育のコスト」を抑えるということではなく、それによって顧客満足を引き上げる効果があるのです。
ただし、これは「良い定着率」に限ります。

ですから、「良い定着率」を上げる努力を惜しんではいけないのです。

□定着率が向上する組織風土
入社したばかりのスタッフを辞めさせないために、最終的には新人を歓迎する気持ちが各人にあるか?という組織風土の問題が大きく関わってきます。
なぜなら、働く現場において良い人間関係が構築されているかが、若手人材のモチベーションや成長に大きく影響するからです。 
これは若手に限ったことではなく、スタッフ全員が気持ちよく働ける環境を整備することは、組織においてとても重要なことなのです。

そして、このような動きの中心となるのは「人事部」です。

人材の成長無くして会社の成長なしと言われる現代において、人事業務を総務部や経理部が兼任の片手間でやっているようですと、ビジョンのある人事制度は構築できず、結果として場当たり的となり、欠員補充の採用もままならないだけでなく、せっかく採用できても、すぐに退職されてしまうようになってしまいます。

どんなに小さな会社でも、人事部は現場の意見を吸い上げて若手社員に対する処し方の基本方針を決め、その施策を明確に打ち出す必要があります。
そして、それを実のあるものにするために現場を巻き込むのです。このような現場と連動した施策立案と運用ができるかどうかで、若手スタッフの定着率が決まるのです。

定着率向上というと、衛生要因の給与水準や職場環境に直ぐに目が行き、結果として何も変わらいないということになりがちですが、実は、若手スタッフはやる気の持てる施策(動機付け要因)を大切に考えています。
自分を成長させ、チャンスを与えてくれる場所で働きたいと考えています。
そういうことが体現できる会社なら愛着も湧きますし、結果的に定着へつながります。

そのためには、例えば、様々な施策が提案できる環境であったり、若手に責任ある仕事が任せられるといった制度・仕組みのあることがポイントとなります。
つまり、仕事にやりがいが持てるようにすることです。
さらに、社内FA制度や自己申告制度など、自分の能力向上やキャリアアップを実現できる施策が有効です。

近年の若者が自分の仕事や成長ということに対して極めて敏感であることに注目し、人事部が現場を巻き込んで制度導入ができれば、確実に「良い定着率」が向上します。

では!また。

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