社員に「考える」力のある会社は強い

社員に「考える」力のある会社は強い

岐阜県に本社を置く未来工業。コンセントの中のボックスを作っている会社で、この分野では80%のシェアを獲得。高収益体質の会社で、名証2部上場の電設メーカーだ。

年間休暇は140日、年末年始は19連休。休みが多いことでも有名だが、この会社にはタイムカードもなければ、ノルマもない。おまけにホウ・レン・ソウも不要だ。

就業時間は8時30分から4時45分まで。残業は一切なし。残業すると「電気代がもったいない。早く帰れ」と怒られる。

社員数は約800人。平均年収は600万円。女性社員300人を含めた平均年収だから、かなり高額である。

給料体系は成果主義ではなく、年功序列。定年は70歳まで引き上げた。

その理由は創業者の山田昭男氏が人と同じことをするのが嫌いな性分だった。日本にある会社の97%の会社は赤字会社で、まともに法人税も払っていない。だから一般的な会社が当たり前にやっていることのすべて逆張りを行っている。

ノルマやタイムカードがなければ、サボりそうな社員も出て来そうだが「こんないい職場環境を壊したくない」と率先して仕事する。

この会社のモットーは「常に考える」。

「考えましょう」と「考える」では受動的と能動的の違いがある。常に能動的に考えるクセを付けさせることで、自らが解決策を見出せる能力が養われていっている。

コンセントのボックスの中には、社員が自ら考えた小さな創意工夫が詰まっている。だから他社が追従できない商品力となっている。

「考える」クセを付けるためのアメはある。

改善提案にはどんなものでも500円が支払われる。いい改善提案には最高3万円が支払われる。かといって鞭はない。

アメリカからの能力主義、成果報酬型経営を取り入れるようになって、日本の企業は弱体化して行った面もある。

未来工業の平均勤続年数は17年。平均年齢は42歳。帰属意識、愛社精神の高さなどの日本型経営のよさが未来工業には残っている。

この能動的に自ら「考える」社員を育てることは、どんな業界にも求められることだ。

この未来工業のような会社がホール業界にもあった。今、急成長中のあの会社で、昨年は関東から大阪の超激戦区へ初出店して、地元の強豪ホールの度肝を抜いた。

店舗数は26店舗で中堅どころといえるが、埼玉・大宮では全国大手とがっぷり四つの戦いを制した。

この会社の方針も同業他社の猿まねが一番嫌いで、業界セミナーの参加も禁じているほど。日頃から常に考えることが癖づけられており、同業他社が誰もやっていない企画は、少々コストがかかっても比較的簡単に稟議が下りる。

ほんの一例だが、店内ルールの禁止事項を放送する場合、本物の声優を使い、遊技台のキャラ風に注意する。新入社員の入社式では、花の慶次の声優が「おめでとう」のメッセージを贈った。他社なら稟議が下りないようなことも、「面白い!」と社員の遊び心を優先する。

だから販促力=伝え方が上手い、となる。

こんな会社を作った社長がどんな人物か気になるところだが、「出たがり社長の会社は潰れる」というポリシーから業界誌のインタビューすら受けない。

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