好きなことを仕事にする方法

好きなことを仕事にする方法

実は、好きだからその仕事を選んだという人はごく少数です。
一番多いパターンは、実際にやってみて、それに何かしらの楽しみや喜びといった手応えを感じることで、初めて「好きなこと」になるという流れです。
つまり、何ら行動もせず、受け身の姿勢でいる人間が好きなことを手に入れられるという事はなく、もちろん、好きなことを仕事にすることなど出来るわけがないのです。

最近、多くのホール関係者が漏らす声として「イベントを実施できなくなったことで集客ができないという痛手もあるが、スタッフの一体感も同時に薄れているのではないか?」というものがあります。
そもそも、集客を目的とした店舗イベントでしたが、多くのスタッフを巻き込み、どうすれば多くのお客様にご来店いただけるか、どうすれば楽しんでいただけるかということを社員・アルバイトの皆で知恵を絞っていた行為は、ひとつの目標に向かって進む、一種の学園祭や体育祭の準備に似ていて、スタッフの一体感を醸成していたのでした。

実は、これが、まさに「目の前の仕事にのめり込む」ということであり、その結果として、その仕事を通じて他人から評価をされたり喜ばれたりする所までやり切ってみると、その仕事が好きになっている可能性は非常に高いのです。
だから、好きなことがない人が、好きなことを仕事にしたいのならば、目の前の仕事に徹底的にのめり込むことが良いのです。

有名なスティーブジョブスのスピーチでは「自分が心の底から満足を得たいなら進む道はただ一つ、自分が素晴しいと信じる仕事をやる事だ。そして素晴らしい仕事をしたいと思うなら進むべき道はただ一つ、好きなことを仕事にすることだ。」と言っています。

中には「お金なんかいらない」という人や「特にやりたいこともない」という人も居ますが、これは基本的に変化を嫌う人たちなのです。
同じ日常が、何もなく明日も繰り返されると思っているのです。

でも、もし今日が「最後の1日」だとしたら、本当に、今の仕事で良かったですか?
最後の1日は、明日、なんの前触れもなくあなたの元にやってくるかも知れません。
やり残したことや、普段からいろいろなことを怠ったり、やるべきことに取り組めなかったことが多い人ほど、死ぬ間際になって時間を欲しがるそうです。

店舗に勤めている方であれば、もし、今、勤めている店が3ヶ月後に自分のお店になることが決まっているとしたらどうでしょう。
朝の出勤の際の心構えからして仕事への取り組み方が変わって来るのではないでしょうか?

つまり、経営者・管理者は、部下が仕事に徹底的にのめり込む環境を整え、その結果を評価する仕組みを作らなければいけないのです。

部下が仕事に徹底的にのめり込む具体的な環境

まずは「活性化した組織」である必要があります。
ただし、活性化といっても、ただ社員の元気が良いだけでは適切ではありません。
活性化した組織とは、組織本来の目的を組織を構成する全ての者が共有し、主体的・自発的に協働しながら達成しようとしている状態だと考えます。

そのためには、ふたつの大切なポイントがあります。
1)納得感の高い目標 2)誇りの持てるビジョン
同じ仕事をするのでも、誇りを持てるかどうかで、そのプロセスは大きく異なります。

PFドラッカーの話しとして有名な「3人のレンガ職人の話し」があります。
レンガを積む3人の職人に「何をしているのですか?」と質問をしました。

職人A:「ただレンガを積んでいるだけ。誰にでもできる仕事だから1日働いても銅貨1枚にしかならないのさ」と不機嫌そうに答えました。

職人B:「仕事は大変だけど1ヶ月働けば銀貨10枚になるんだ。退屈だけど家族を養うためには仕方ない」と諦めたように答えました。

職人C:「後世に残る大聖堂を作っているんだ。自分が亡くなった後でも子供や孫達が私の仕事を誇りにしてくれると思うよ」と胸を張って答えました。

職人Aは給料をもらうのが目的。ただ毎日レンガを積んでいるだけで、それが何になるかは考えもしないし興味もない(新人アルバイトのレベル)
職人Bは仕事は楽しくないが、家族を養うという目的に向けて努力している(一般的なサラリーマンのレベル)
職人Cは、まさに、納得感の高い目標を持ち、誇りの持てるビジョンを持って仕事にあたっています。
つまり、何のために仕事をするのか? という話しであり、仕事だからやるのか?お金のためにやるのか?それとも素晴らしい未来や価値のためにやるのか?という目的の話しになります。

同じ仕事をするのでも、誇りを持てるかどうかで、この三人のレンガ職人のように大きく意識が異なります。経営者・管理者は、そういったビジョンを出せるリーダーを、いかに育成していくかということがポイントになります。
リーダーが現場のメンバーに、誇れるビジョンをしっかりと伝える。そのビジョンが共有されて「協働」に至ると、必ず成果へと結びつきます。最初は疑心暗鬼だった社員も、実際に成果を確認すると達成感や誇り、一体感などが強化され、「動機付け」へと繋がっていきます。ここから「活性化サイクル」が生まれます。

正しい人材育成の考え方
組織は、自立・自発的に学んでいくように作り上げなければなりません。
それを作っていくのは、まさに現場のマネージャーで、このマネージャーの人材育成力を上げていくことこそが一番大切です。

多くの人は、OJTについて誤解していて、「仕事をさせていたら、勝手に成長する」と考えます。しかし、OJTとはもともと「戦略的」であるべきなのです。

ある人物について、「5年後にはこういう人材にしたい」という考えがあるのなら、タイミングや様子を見ながら、その人にふさわしい仕事を任せていかなければいけません。しかもその仕事は、ちょっと背伸びをさせることです。危険も伴いますが、部下が失敗しても、上司が処理できるという範囲内で納めていく。このようにOJTを進めていく体系を作っていく必要があります。

ステップ自体は、決して難しいものではありません。まずは、「部下に適した仕事を考える」こと。次に、「本人のやる気を喚起する」こと。そして、「日々フォローしてやり切らせる」こと。そして、「達成感を与える」こと。こういうやり方を確立することが、人材育成のコツを身につけるポイントになります。

現在、多くの企業でOJTが形骸化しています。現代の若者たちは、「成長実感」があると非常に動機付けられますが、現状では与えられていないため、将来の姿が見えずに辞めていく人も多い。ぜひとも、自社の社員には「自分の仕事は好きだからやっている」と言ってもらえるようにしたいものです。

では!また。

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