チームワークとは仲良しのことではありません!!

チームワークとは仲良しのことではありません!!

チームワークというと人の関係性に注目し、とにかく波風立てずに穏やかなことが一番と考える人が多いです。
昔から言われる「和を以て貴しとなす」の観点から「とにかくカドを立てないで仲良くするのが一番大切」といった考え方です。
しかし、聖徳太子が、この言葉を「憲法十七条」で説いた意味は、そもそも、ただ「仲良く」ということではなく、道理を正しく見出すために党派、派閥的なこだわりを捨てよと教えているのです。
つまり、完全無欠にほど遠い人間が公共の利益を実現するためには、派閥的なこだわりを捨てた公正な議論が欠かせず、そのためには各自が私心を去らねばならないということで、ただ仲良くしなさいということではないのです。

■仲良しの違和感

あるホールのベテラン店長が自店について違和感があるとおっしゃられていました。
その内容は「自分は長く店長をやっているが、今、自店のスタッフは、ここ何年かの中では、際立ってスタッフ同士の仲が良く和気あいあいとやっていて、良い雰囲気だと思うが、実は漠然と違和感がある」との事でした。

詳しく聞きますと、一時は店内の人間関係はギスギスとして、休憩室ではその場にいない人の悪口を皆で言い、信頼関係のかけらもない状態で新人は入ってもすぐに辞めてしまう状態だったそうです。
それをこのままじゃいけないと、店長が率先して店舗の人間関係について立て直しを図ったとのこと。
その甲斐あって、今では皆、素直で一所懸命。そして相手を思いやる優しさがあるとのこと。
時には、あまりにも相手を優先しすぎてしまうあまり、自分の事をおろそかにしてしまう事もあるほどだそうです。

つまり、非常に仲が良く、自己犠牲をしてまでも助け合うスタッフの集まりではあるが、「俺が・俺が」という前に出る人物がいないために、悪く言うと「仲良しクラブ」になってしまっているのです。
サッカーで言えば、絶好のタイミングで最高のパスをもらったにも関わらず、シュートを打たずに横にいる味方にパスを出して得点にならないという状態。最後の詰めが甘くゴールにならないのです。

泳げない人は溺れる人を助けることはできない。思いやりだけで水に飛び込んだとしても、共倒れで一緒に溺れるだけです。

しかし、恐らくその店舗のスタッフは飛び込んでしまう。
つまり、自分の目標達成ができていないにも関わらず、困っている仲間を助けてしまう。そして互いに目標未達成になってしまうのです。

では、どのように、この問題を解決すれば良いかと言うと、次の指針を示すのです。
「自分自身の目標達成が相手へ対する何よりの思いやりである」と、つまり、自立無くして相乗効果無しということです。

■本音の無い現場は生産性が低い

意外と思われるかもしれませんが、人間関係を気にするあまり、遅刻をしたスタッフを叱れない役職者は相当数います。
厳しく指摘するとその場では気まずい雰囲気が流れることがあり、その気まずさを恐れて、厳しく言えないのです。

しかし、指摘すべきときに指摘しないと、他の真面目にやっているスタッフからすると「なぜ言わない?」と不満に感じます。
真面目にやっても適当にやっても同じであれば、真面目にやっている人はバカバカしくなってしまい、結果的に、前向きに取り組んでいるスタッフのやる気の芽を摘み取ってしまいます。

誰でも「嫌われたくない」という気持ちがあります。しかし、嫌われることを恐れて指摘すべきときに指摘をしないとチーム力を引き下げます。 

また、不思議なことに上司がしっかりと指摘しないチームは、メンバー同士も指摘し合うことを止めてしまいます。
厳しいことを言い合わず、お互いにいつもニコニコ笑いながら楽しい会話を繰り広げる。
一見楽しい職場です。

しかし、そのような職場が一番恐ろしいのです。
これこそ、本音の指摘をし合えない「仲良しクラブ」だからです。
店舗にあるハウスルールは徹底的に守らせなくてはいけません。
”守るべきことを守らせる”ということです。

では、現場が規律を守って仕事をするために最も必要なことは何かと言いますと、それは、上司が規律を徹底して守ることです。
当たり前と思われるかもしれませんが、現場ではスタッフに対して「時間を守れ」と指示しながら、役職者が頻繁に朝礼・終礼に遅刻したり欠席したりするというのは良くあることです。

この結果として「あの人は、言っていることとやっていることが違う」と感じられ、スタッフは規律を守ることがバカバカしいと感じます。
”○○さんが言うことはもっともだ”と感じてもらうためには、まず自分が徹底する必要があります。

なお、理想的なのはスタッフ同士が指摘し合う風土です。
規律を乱しそうなメンバーがいたら「○○さん、そのような行動は止めてください」とお互いに言い合う風土、それこそが自浄作用が働く強いチームといえるのではないでしょうか。
よく「うちには規律を乱す問題児がいる」という話しを聞きます。
そして「そのようなメンバーには、どう接すればよいのでしょうか?」と個人だけの問題のように考えている役職者が見受けられますが、多くの場合は、それ以前のチームを強くする要素を満たす努力をしていないというのが問題なのです。

あなたの会社やお店では 、人と違うことや目立つことを恐れ、右へならえ的に同一行動をとり、仲良しサークルのように振る舞うことが、チームワークとされていませんか?

ところが仲良しサークルのように振る舞っているのも、実はそうしたいからではなく、互いの不勉強をフタをして隠すため、無意識にできたサボタージュの場合が多いのです。
ですから、勉強をしない、改善行動をしない、向上心を持たない人々にとっては、心地よいものになります。
特にもめごとが起きているというわけではないからと放置すれば、どんどんと水は淀んでいき、店舗、企業の成長はなくなります。
なぜなら、各自が指示されたことを達成できない状態では目的も目標も達成できないからです。自分の役割が果たせない集団が幸福であるはずはありません。

チームワークは、みんなでやっていこうではなく、みんなが自分の役割を果たせることなのです。
そこには自ら行動を起こす文化、卓越することを求める文化を賞賛する良識と良心が働いています。つまり自由の概念と同じです。自由とは勝手気ままなことをするのではなく、良識と良心を自ら働かせることなのです。

チームワークとはひとりひとりが目標達成のできるプロの集まりなのです。すべてのひとりひとりの始まりであり、ゴールなのです。

では!また。

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