マネージャーとリーダーは違います!

マネージャーとリーダーは違います!

七つの習慣のスティーブン・コヴィーはマネージャーとリーダーの違いについて「マネジメントは成功のはしごを能率よく昇ることであり、リーダーシップはかけ違っていないかどうかを判断することである」と言っています。

つまり、リーダーシップとはどちらの方向に向かって進むのかという方向性を指し示すことであり、マネジメントはその指し示された方向に向かって、能率・効率よく、管理・コントロールしていくことだと定義しているのです。

ただし、多くの企業で、この「マネージャーとリーダー」は明確に区分されずに、結果として現場が混乱し迷走しているケースが見られます。
そこで、今回は、役割の異なるリーダーとマネージャーについて解説してまいります。

組織が形成されますと、上に立つ人間の役職の呼称に「リーダー」や「マネージャー」と付くことが多いのですが。その際にそれぞれの役割について明確化していないと混乱を招くのです。

「リーダー」と「マネージャー」の違いは、英語の表記に立ち戻って考えてみるとよくわかります。
・「リーダー(leader)」leadする人、すなわち部下を導く人であり、先頭に立って部下を引っ張っていくのが「リーダー」の役割です。
・「マネージャー(manager)」manageする人、すなわち部下を管理する立場であり、部下の能力を把握し、それを業績向上へと結びつけることが「マネージャー」の役割といえます。

つまり、役職を命ずる人は、その人にリーダーとして組織をリードしてほしいのか? または、マネジメントをして部下を管理してほしいのか?を明確化したうえで役職を命じなければいけません。

■リーダーに必要な根本的な素養とは?
リーダーで一番大切なのは「問題が見えていること」です。
これができていませんとチームを引っ張っていく行き先が分からないですから。
行き先の分からない旅ほど不安なことはありません。
方向性を指し示しゴールがどこであるかをメンバーに伝え、ベクトルの向きを同じにしてしまえば、後はメンバーそれぞれが得意な仕事をやればいいのです。
リーダーは「なんとしてもゴールまで辿り着く」という気力を持ち、その意思をメンバーに表明すれば良いのです。
同じボートに乗ったメンバーに行き先を指し示し、気持ちを一つにすることができれば、それがチームとなるのです。

■プレイングマネージャーでは組織運営は滞る
「プレイングマネージャー」という考え方があります。
第一線に立ちながら、管理職として部下のマネジメントも求められる役割ですが、実はプレイングマネージャーではチーム運営が滞ることが多いとも言われています。

そもそも、通常、プレーヤーとして優秀だからこそ、プレイングマネージャーに抜擢されます。
そのため、部下に対して「自分には苦もなくできることが、どうしてできないんだ」という感情を抱きがちで、つい「教えているより、自分でやってしまったほうが早い」と一人で仕事を抱え込む傾向があるのです。
その結果、さらに忙しくなり、部下の面倒を見る時間がどんどん少なくなっていくという悪循環に陥り、ほかのメンバーはどうしても力を発揮しにくくなってしまうのです。

リーダーは、チームが自律的に動いていくシステムを作れる人のことを指します。
もちろん率先する姿勢は重要ですが、肝心なことを一人でやるのではなく、それをいくつかの役割に分担して、後はメンバーに任せなくては後進が育ちません。
自分で何でもできてしまうがゆえに、任せることが難しいというプレイングマネージャーが多いのです。

メンバーの長所を見極めて長所に合わせて役割を分担すると、メンバーのやる気も出やすくなります。
また、「任せる」ことは「丸投げ」することではありません。
全く口を出さずに丸投げで回るチームもありますが、それはレベルが高いチームの話です。
大抵の場合は、リーダーがその都度チェックや確認をすることが必要になってきます。「このペースでいいよ」「この方向性で大丈夫」とペースを調整するのも、リーダーの役割です。
上手なチェック機能を自分の中で持つことができれば、メンバーが個々で工夫し成果を出し始めますので、チームとして機能し始めるのです。

■チーム全員にリーダーシップを
しかし、自然体でメンバー各々がリーダーシップを自覚するようになるのは難しいです。
まずは「小さなリーダーシップ」から練習させてみると良いです。チームで直面した課題ごとに作業集団を作り、そこで責任者を任命するのです。
人数は少人数がよく、その小さな集団で責任とリーダーシップを持って仕事を引き受け、その課題をチーム全体に報告する練習をするのです。少人数のチームですとリーダーにカリスマ性は必要なくチームで業務を回せます。
リーダーシップは経験ですので「最初は小さなリーダーシップ」から練習することで身についていきます。

小さなリーダーシップを繰り返すことで、チーム全員がリーダーシップを持つようになります。しかし、そうなると、昔のことわざにある「船頭多くして船山に登る」という状態になるのではないかと懸念されますが、指示命令系統が整っていれば、全員がリーダーシップをもっているチームでは、最終的な判断を下すのは正式なリーダーであるため、問題はありません。
つまり、チーム全員がリーダーシップを持つということは、議論の段階では全メンバーが「自分がリーダーの立場であったら」という前提で議論をします。
このため各メンバーはリーダーに対して、「ここがおかしい」とか「ここを変えてください」と言った、意思決定者への要請と言うスタンスで意見の述べ方ではなく、「私がもしリーダーであれば、こういう決断をする」というスタンスで意見を述べます。
メンバー全員が主体的な考えに立つため、最強のチームが構成されるのです。

役職を任命する際には、マネージャーとリーダーの役割を分けて考え、その方の役割は「マネジメント」なのか「リーダーシップ」なのかを明確にしたうえで、任命者とコミットすれば、そのチームは成功の道のりを進みます。
また、そのチームの中でメンバー各々が小さなリーダーシップを身に着ける行動をとれば、自立したビジョナリーカンパニーへの第一歩となることでしょう。

では!また。

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