幸福感と希望が部下を成長させる!

幸福感と希望が部下を成長させる!

□期待した社員を伸ばす方法

史上空前の売り手市場の中において、人を採用したくても、なかなか応募してきてくれなかったり、採用してもすぐに辞めてしまったりと、採用に関する悩みは少なくありません。
ですから、せっかく入ったアルバイトや社員が、働き続けながら成長し続けられる環境を整えることが大切になります。

ただし、スタッフの成長について、管理者や経営陣が誤った認識を持っていますと、全くスタッフが育たないという事態が起きることになります。
そんな事態を避けるために、スタッフが成長するという事について考察したいと思います。

自分が実際に経験したことから学びを得ることを「経験学習」と呼び、これを学術的にしたものを経験学習理論と言います。
この経験学習理論には「10年理論」というものがあり、それは、人が熟達(プロ)レベルに達するまでには、10年の準備期間を要するというものです。
ただし、これは10年経過すれば、誰しもが熟達したレベルに到達するかというとそういうわけではなく、10年間の「経験」の中でいかに知識やスキルを学んで蓄積できたかということで、10年目以降の業績の伸びが変わってくるということなのです。
営業職であれば、10年経験することで、ある程度の業績を期待することができます。

しかし、それ以降は、さらに経験を積んだところで「経験学習」だけでは業績や成果には繋がらなくなるのです。
なぜなら、経験10年以上のベテランになりますと、業績を上げるためには、経験ではなく蓄積した知識やスキルが大きく影響してくるからなのです。
つまり、最初の10年の間に、いかに学び、知識やスキルを蓄積するかが重要な要素なのです。

では、経験から学び、優良な知識やスキルを蓄積するためには、どうすればいいでしょうか?
■振り返り
学びの促進のためのひとつ目は「振り返り」です。
経験をした後に、振り返るという行為は、その人に気づきや知識をもたらします。
実は、この気づきの積み重ねが、本人なりのノウハウ(勘やコツ)といった形で本人の中に蓄積されていくのです。

■チャレンジ
新しい事、難しい事に挑戦することです。
最近、発生している事例で、評価制度の個人目標を社員がみな達成しているのに、会社の業績が落ちるということがあります。
実は、目標の立て方で重要なことのひとつは、達成可能ではあるが困難な目標を立てられるかどうかということなのです。

苦悩なき目標に成長はありません。

だからこそ、挑戦的であるという事が大事になります。
まだ未達の部分に向かって、目標を立てるわけですから達成するために、新しいアクションを起こす必要が出てくるはずなのです。
自分で調べて、新しい知識を取り入れてみるなど、立てた目標を達成するために、この学びの部分が出てこないのであれば、それはもはや目標ではなく現状維持のためのチェック項目と言えます。

成功しても失敗しても「良い経験になった」と言っているだけでは、何にもならないということです。
また、特に気をつけなくてはいけないのは、上司や先輩の言われた通りにこなしているだけで業績が上がる時期です。
この時期に、業績が上がっているところだけを見て「優秀」だと判断することはしてはいけないのです。

学ばずして、伸びている人は、いつかどこかで成長が止まります。
逆に、業績の伸びがゆるやかであっても、着実に経験から学び、成長している人も居り、そういう経験の質を高めようとする意欲のある社員かどうかを見極めるところが、上司や経営陣の腕の見せ所なのです。

座学を中心とした研修だけが人を成長させるわけではなく、どちらかと言えば、日常業務の日々の経験が、昨日より今日、成長した新しい自分になるのです。
ただし、個々人の成長を大きくするためには、漫然と経験しているだけではダメで、経験の質を高める動作が必要となり、その基盤となるのはスタッフ一人ひとりが持つ「幸福感と将来への希望」になるのです。

□あなたの部下は幸せですか?希望を持っていますか?

「幸せとは?」状況は様々ですが、幸せの中にある人は、今の状況が長く続いてほしいと思うのです。つまり幸福とは継続や安定を求めるのです。
「希望とは?」恋人がほしい。もっとやりがいのある仕事がしたい。など今は無いけれども叶えたいものなのです。つまり希望とは変化を求めるのです。

幸福と希望は人間が心を満たすための車の両輪なのです。
人間は満足するために何かを選び行動します。その満足は現在の幸福を保つためです。未来の希望を実現しようとすることでも得られます。

また、逆説的ではありますが、現状に不満を持っていたとしても希望を持てるのであれば人は行動していけるのです。
太平洋戦争時の悲しい歴史の中で、ナチスの収容所だったアウシュビッツでは、クリスマス後に息を引き取る人が多かったとの事です。
これは「クリスマスには特別恩赦があって解放されるらしい」という噂が流れるが、クリスマスを過ぎても全く解放される気配が無く、絶望した人が次第に衰弱し、亡くなったからだそうです。
一方「解放されたら家族に会いたい」「解放されたらやり残した仕事をしたい」といった未来に対する希望を持っていた人は生き残ったそうです。
アウシュビッツの中で最後まで生き残った人は、体力のある人でも健康な人でもなく、希望を捨てなかった人だったという事です。

つまり、管理者や経営陣は働くアルバイトや正社員のスタッフに幸福に感じてもらう事は、とても大切ですが、それだけでは不足しており、希望を持ってもらう行動が欠かせないのです。
厳しい環境下の中、経費削減と目先の売り上げ確保の号令だけでは、スタッフは疲弊してしまい、考えることを止めてしまいます。現状が苦しくとも、明確な将来ビジョンを挙げ、希望を指し示すことで、スタッフは新しいことに挑戦し成長していくのです。

では!また。

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