変わる「仕事・組織・人材」 仕事力を高めるのは自立型人材です!!

■自律型人材を育てたいと言うけれど・・・
昨今、研修のニーズで多いのが「指示待ち型人材から自律型人材への転換」というものです。

特に指示や命令をされなくとも、自らの意志できちんと判断し行動できるような人を、最近の企業は求めています。

とても、変化の激しい世の中ですから、上の号令を待ったうえで、黙って聞いて動いてくれるような人よりも、自分の置かれた立場で考えて行動してくれる人材が求められることも、よく分かります。

ただし、そういった人材を求めるのは良いのですが、求める側の組織にいる人たちの意識が、お話しを聞いていると、どうしてもちぐはぐなように聞こえることが少なくありません。

自律型人材を育てたいと言いながら、そういう人材が育たないような手法を、一生懸命とっているように思える組織も少なくないのです。
賞罰・規律・統制といったもので、従業員を望みの形にはめ込んでいき上の命令からはみ出ることの無いように行動するように社員を教育しているのです。

このやり方では、自律型人材は育ちません。
根本的にずれてしまっている訳です。

自律型人材を本気で育てたいのであれば、目の前のカリキュラム変更をするのではなく、一度、人事制度を抜本的に解体し、モチベーションが上がるような理念やビジョン作りなど、従業員が伸び伸びと成長できるような土壌作り、環境作りを行う必要があります。
さらに、現場の教育に携わる人たちも作業員的な意識から主体的に行動する人という意識に変わらないといけません。

強制的に図面通りの人間を作ろうとするのではなく、時間をかけて成長を見守り必要以上の手出しはせず、育ちやすいように環境に気を配るということをしなくてはいけないのです。

組織的に自律型人材を育てるというのは、これだけの大転換を全社的に行うことなのです。

■自立型人材のパターン

では、自立型人材の定義ですが、これは、求める成果を生み出すために”自ら考え、学び、行動する人材”という事になります。

では、組織の中にこのような人材が多数いるかと言うと、どんな企業においてもかなり少ないです。
それは、求める成果を自分の力で産み出すことが出来る人は、組織に属しているより自分で起業してしまったほうが思い通りにやれますから、起業してしまうのです。

しかし、組織の中に自立型人材はいないわけではありません。
組織に属する自立型人材は下記の3つの種類に分類されます。

1)企業を活用して、自分の想いを実現しようとする人
自分でゼロから立ち上げるよりも、すでにある企業のブランドや組織規模、商品開発力、営業力などを活用し、自分の夢やビジョンを実現しようとする人。
もちろん、その人の想いが、企業の目指すものと一致している事が大前提ではありますが、そうであるならば、こういう人は、当然のことながら、自ら考え、学び、行動して、求める成果を出していくでしょう。

2)会社の商品やサービスに強い愛着を持っている人
愛着を感じる商品やサービスを広めていきたいという強い想いがあるせいか、自ら積極的に行動し成果を出していく人が多いです。
ディズニーランドや、リッツカールトンホテルといった企業には、こういう方たちがたくさんいらっしゃるようです。
3)上に立つ人に対して、強い憧れや尊敬の念を抱いている人
上に立つ社長やリーダーに憧れ、強い尊敬の念を持ち「この人のために働きたい!」「この人の思いを実現するお手伝いをしたい!」という気持を持って働く人。
こういう人もまた、自立した働き方を示してくれ、組織の発展に大きく貢献してくれます。

こうような人たちは、まさに企業にとって、なくてはならない貴重な自立型人材であると言えるでしょう。
しかし、上記の1・2に属する人たちは、自立型人材と呼ばれる人たちの中でも、比率的には極めて少ないです。

実は、自立型人材の中でも、最も多く分類されるのは3の「上に立つ人に対して、強い憧れや尊敬の念を抱いている人」で、全体の6割から7割はここに属しています。

つまり、自立型人材を育成しようとする場合に、現在、自立型人材ではないという人に対して、「自分の想いを実現するために会社を活用しろ!」と言ったり、「もっと自社の商品やサービスに強い愛着を持て!」と言ったところで、なかなか、思うように進みません。

しかし、部下に「この人のために働きたい!」と思われるように、上司が自分自身のあり方を変えていくことは、実はそれほど難しいことではありません。
部下を変えることは、とても困難ですが、上司である「あなた」が自分自身を変えて、部下に「この人のために働きたい!」と思われる存在になることは簡単ではありませんが、部下を変えることよりはるかに容易なのです。

マネジメント論の神様と言われる、P・F・ドラッカー博士が、著書「ネクスト・ソサエティー」で言われているように、21世紀は「高度な競争化社会」に突入したのです。
この環境は「高附加価値を持った強い組織・個人だけが必要とされる時代」なのです。

大事なことは自立型人材の組織を構築するという事で「会社の目標を達成するための個人を動かすテクニック」ではなく「会社の目標達成を通じて、個人が成長・自己実現するということ」なのです。

つまり、みんなが「自分の成長や自己実現のために喜々として働くような自律型社員がたくさんいる組織」これが理想であり、これ以上強い組織はないのです。

では!また。

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