組織的に、スタッフの「やる気」を引き出す方法

組織的に、スタッフの「やる気」を引き出す方法

■そもそも「やる気」とは何か?
「やる気」とは「目標があり、それに向けて方向付けをし、行動を起こす」事と定義できます。
つまり、「やるぞっ」と気持ちが湧いてきて、その後に、何にどのようにアプローチしていくか方向性を定め、具体的に行動を立ち上げていくことなのです。
とりわけ、意識を方向付ける目標が無ければ行動にも移せないのです。そのように考えますと「やる気」を引きだすためには、まず方向性を明確にし、そこに向けて意識を高めて持続することが求められます。
また、「やる気」について考えることで、日常業務に応用することが可能となり、実際に部下のやる気が落ちてきた場合でも、それは、再度、上がるものだと知ることで、それに向けてのアプローチもできるのです。

■外発的動機づけと内発的動機づけの違い
「やる気がある」「やる気がない」などと普段よく耳にする言葉ですが、専門用語でやる気のことを「動機づけ」といい、大きく分けると「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」という2つのタイプに分類されます。

1)「外発的動機づけ」賞罰(アメとムチ)による動機づけ
人間だけではなく水族館のイルカショーなどを見てもわかりますが、動物は報酬を与えられる行動を増やし、罰を与えられる行動を回避するようになります。
例えば勉強嫌いの子供に何とか勉強させたいと願っている親の場合、何番以内に入ったらゲームを買ってあげるや、何点以下ならゲーム機没収などのように、アメとムチを使い分けることで人を動機づけることを「外発的動機づけ」といいます。
ただし、外発的に動機づけられている人にとっては報酬を得ることや罰を回避することが目的となりますので、勉強や仕事などの行動はその手段となってしまいます。

つまり、短期的に考えれば、外発的動機づけは強力で有効です。しかし、長期的に考えた場合はマイナスの効果が大きくなります。
勉強にせよ仕事にせよ、外発的に動機づけられている状態(つまり外的報酬を得るためにやる、それをやらないと怒られる)では手っ取り早い最短の方法を選ぶようになり、チャレンジしなくなるのです。
親や上司の見ていない所では巧妙にサボリます。何より、絶えず誰かが見張っていてアメやムチを与え続けなければ行動が発生しないのです。

2)「内発的動機づけ」行動することで得られる楽しさや満足感による動機づけ
内発的動機づけとは、賞罰という外的な強制力がない状態で動機づけられることです。
内発的に動機づけられた人にとっては、行動それ自体が目的であり、そこから得られる楽しさや達成感、充足感が報酬なのです。
楽しいから積極的に参加し、自発的に学習し、最大限に努力する。内発的動機づけとは、まさに個人の内から湧き出る意欲なのです。

上司は自分の部下に「アメとムチ」によって動機づけていないか考えてみる必要があります。
もし、そうであれば、その行動は、高い成果を上げて欲しいとあなたが一生懸命になればなるほど「無難な方法を求め、言われたことしかしない社員」を育ててしまうのです。

■「内発的動機づけ」を喚起させる方法
では、どのようにすれば「内発的動機づけ」を喚起させる事ができるのかと言いますと、二つの大きなポイントがあります。
1)有能感-能力を発揮し、目標を達成できると認識すること。
2)自己決定感-誰からも干渉されず、自らの意思でコントロールできること。
この二つのいずれかが欠けても、内発的動機づけは喚起されません。

つまり「内発的動機づけ」が喚起された状態とは「やりがい」を持って物事に取り組んでいる状態であり、その人が自信を持っていて手ごたえを感じているときなのです。また、その人のやりたいようにできる環境が整っていることが必要不可欠なのです。
このように考えますと「有能感」や「自己決定感」を認識するのは本人ですが、これらの認識を他者が促進させることも可能となります。
俗に「褒めて伸ばす」と言いますが、まさにこの行為は「有能感」を刺激するものであり「内発的動機づけ」を高めているのです。

■リーダーシップとマネジメントで「やる気」を引きだす
組織としてスタッフのやる気をいかに喚起し維持させるかということは経営にとって重要な課題になります。
リーダーシップとは方向性を示し人心を統合しやる気を高めることであり、それに対してマネジメントは、計画し人員配置しコントロールすることであるとしています。
やる気の観点から見ますと、リーダーシップは、主に内発的動機づけに影響を与え、マネジメントは外的な報酬によってもたらされる外発的動機づけに影響を与えます。
つまり、組織的に部下のやる気を引き出すためには、管理者はリーダーシップとマネジメントの両側面からアプローチしていかなければなりません。

まず、リーダーシップにおいては「ビジョン」の果たす役割が大きくなります。やる気における方向性は個人的なものですが、組織としての方向性である「ビジョン」が個人的なものと共有できれば、やる気は喚起されるのです。
ビジョンが明確に示されれば、スタッフは理想と現実のギャップを認識します。そこで、組織と個人の方向性が共有されていれば、理想と現実のギャップを埋める仕事は魅力的であり「内発的動機づけ」が喚起されるのです。
また、承認欲求を満たすべく「褒める」ことや成果への適切なフィードバックを実施することで、「内発的動機づけ」は倍増するのです。

ただし、この関係の基礎には、成果に対する適切な報酬や昇進といった外発的な動機づけも同時進行している必要があります。
リーダーシップが発揮できる土壌には、マネジメントが機能していませんと成り立たないのです。

つまり、組織的に、スタッフの「やる気」を引き出す方法として、導入部分として「外発的動機づけ」を使うことは良いのですが、仕組みとしては「内発的動機づけ」を運用しなくてはいけません。
「やる気」を引き出したうえで、スタッフ一人ひとりが自ら考え方を改め、結果的に人生が変わるような行動がとれれば、強い組織が構築できるのです。

では!また。

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