人材採用は「全社・全スタッフ」で取り組む。

■人材採用は「全社・全スタッフ」で取り組む。

通常、人事部以外のスタッフにとって、採用活動は「自分の仕事ではない」という認識が強いものです。
なかには「人材紹介制度」を導入し、応募者を紹介したスタッフに報奨金を支給している企業もあります。
ただし、往々にして報奨金だけでは、一時的に盛り上がったりするのですが、継続的に採用の軸となることはありません。

現状、バブル期を彷彿とさせる23年ぶりの雇用指標となり、超採用難の時代となっています。
経営陣は人事部に「何としても採用しろっ!」と発破をかけるだけでは、到底、採用ができない時代になりました。

これからは、社長から新人アルバイトまでが一丸となり、採用活動を「自分たちの仕事」と考えて採用活動に取り組まなければなりません。

■人材紹介の仕組みづくり
単に「人材紹介制度」を導入し、応募者を紹介したスタッフに報奨金を支給するのではなく、仕組みとして人材を紹介する形を作り、企業文化を形成するのです。

人材紹介文化を形成する4つの施策

1)人材を紹介する「場所」をつくる
スタッフによるイベントや勉強会、交流会の開催
会社説明会ほど固いものでは無く、単純に自社を知ってもらうレベルのイベントや異業種交流会や勉強会を開催する。
この施策は即効性には薄いものの人材紹介の手助けになります。
イベントなどを開催することにより「いますぐ転職は考えていないけれど、面白そうだから参加してみようかな」と考える転職意欲が、まだ高くない層へのアプローチが可能になるからです。
また、このような場をつくることによって、紹介する側のスタッフも知人や友人に声をかけやすくなります。

2)仲間さがし文化の醸成
単に人材紹介制度をつくるだけでなく、一緒に働きたいと思える優秀な友人や知人をスタッフが積極的に紹介する文化をつくり上げ、浸透させていく。
一長一短には進みませんが、一度、定着すれば、スタッフは自分が所属する部署に関わらず、信頼し尊敬する前職の同僚や上司、学生時代の友人などを紹介してくれます。
また、紹介する人材は、正社員に限りません。一緒に働きたいと思う人がフルタイムで働くことが難しいのならば、契約社員やアルバイト、もしくは業務委託という働き方も検討し、仲間として加わってもらうことも可能です。

3)人材紹介の数値目標を全部署が持つ
事業部やチームごとに「面談設定数」や「内定承諾数」などの数値目標を持ちます。
数値目標を持ってチームで取り組むことにより、スタッフは転職潜在層の意欲を高めるためのアイデアを出し合い、イベントを開催するなど、趣向を凝らした採用活動を行うようになり、幅広い人材に出会えるようになります。

4)表彰制度
積極的に採用活動に協力してくれたスタッフを労うとともに、採用に対する達成感ややりがいを感じてもらい、次の採用活動につなげるためにインセンティブを設けます。
表彰は個人に対してでも良いですし、チームに対してでも良いですが、より効果的なのは「社長」が、直接、賞状や盾を贈ることです。
そうすることで全社へのメッセージとなります。

■ワーク・エンゲージメントの向上
ワーク・エンゲージメントとは「仕事に誇り(やりがい)を感じ、熱心に取り組み、仕事から活力を得て活き活きしている状態」を指します。
アスリートなどが目標を達成した後に燃え尽きたように疲弊してしまうバーン・アウト(燃え尽き症候群)の反対の概念として、オランダの心理学者シャウフェリ氏により提唱されました。
ワーク・エンゲージメントは「仕事が楽しいか否か」と「一生懸命取り組んでいるか否か」の2軸で捉えられます。ワーカホリズム(仕事中毒)との違いは、ワーカホリズムは仕事にやらされ感を持っている”I have to work”の状態、ワーク・エンゲージメントは仕事を楽しんでいる”I want to work”の状態、という点です。

人材紹介文化を形成するためには、この「ワーク・エンゲージメント」が高くなければいけません。
自分自身が満足していなければ、大切な友人を自社に紹介することはないからです。

また、ワーク・エンゲージメントが高いスタッフは、コストを下げ、生産性を高め、優れた顧客体験をもたらすべく自主的に努力するため、会社により良い利益をもたらすのです。
「ワーク・エンゲージメントが高い」とは、「自分の職場に満足」するだけでなく、「会社のファンになる」意識を持った状態を指します。
すなわち、雇用の確保や相応の評価、報酬に満足しているといった必要条件に加え、上司や同僚とのつながりや学びの機会、成長の時間、仕事に意義を感じるということなのです。

このようなワーク・エンゲージメントが高く、仕事が楽しく一生懸命働いている人は、同じ資質の優秀な人を紹介してくれます。
つまり「社員紹介」は、能力や人柄が保証されている優秀な人材を効率よく集められるだけでなく、採用コストを抑えることにもつながります。
さらに、全社員の協力を得て行うことにより、会社全体の連帯感も生まれてきます。
「社員紹介」での採用活動に成功するということは、会社へのメリットが多いのです。

全社員での採用活動が難しい場合は、まずは、経営陣から社員紹介の意義について語り、インセンティブをつけたりすることで社員を巻き込む方法もあります。
ぜひ貴社に合った手法を模索してみてください。

最後に、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツは「設備投資や人材育成よりも優秀な人間が集まる環境をつくることが大切だ」という言葉を残しています。

では!また。

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