人材不足時代を乗り切る二つの仕組み

人材不足時代を乗り切る二つの仕組み

□なぜ、採用が難しくなったのか?

多くのパチンコホールにおいて「求人募集をしても以前のように応募がない」「応募があってもなかなか面接に至らない」「採用を決めても辞退されてしまうケースが増えた」「近隣の時給相場が上がり続けている」という声を聴きます。

なぜ、新卒・中途・アルバイトの全ての人材採用が難しくなったのでしょうか?

2015年11月のパートタイムの有効求人倍率は「1.61倍」と直近のボトムである2009年8月の「0.70倍」から倍増しています。
これほど、求人倍率が上昇しているのですから採用が難しくなって当然なのですが、今回の求人倍率の上昇の内容は過去と異なり深刻な構造変化による上昇となっています。
それは、有効求人倍率を算出するための有効求人数と有効求職者数の動向から分析できます。

有効求人数: 2013年11月/832,078人・2015年11月/978,379人 +146,301人(+17.5%)
有効求職者数:2013年11月/640,124人・2015年11月/607,241人 ▲ 32,883人(▲ 5.1%)
有効求人倍率:2013年11月/1.30倍・2015年11月/1.61倍    + 0.31倍(+23.8%)

求人数は実は14年に入ってからは頭打ちとなっていて、前月比ではマイナスになる月も出ていますが、求職者数が一貫して減少しているので需給関係で求人倍率が上がっているのです。
つまり、今回の有効求人倍率の上昇は雇用情勢の改善だけではなく人手不足の深刻化の影響が大きいのです。

実際、パチンコホールスタッフを担う20代の人口は、1995年に1856万5千人居りましたが、2015年には1267万3千人に減少し、その減少数は589万2千人となっています。
20年で人口が31.7%も減少しているのだから、採用しづらくなって当たり前なのです。一口で589万人と言いますが、北海道の人口が543万人ですので、北海道まるまる失ったのと同じことになるのです。
更に、これからは、この少ないパイを皆で取り合うことになるので、熾烈な採用競争が展開されるのです。

□ふたつの仕組みで人材不足時代を乗り切る。

1)人を集める仕組みを作る
せっかくの貴重な応募者に面接をすっぽかされたり、採用を辞退されたりして、なかなか採用できないと頭を抱える店舗もめずらしくありません。
しかし、それは応募者に逃げられるNG行動のせいかもしれません。
応募を決めた求職者が店舗でまず注意して見るのは面接官です。特に次のような行動はしっかりとチェックされています。

a. 応募時の電話(メール)対応
第一印象の悪い店舗は応募者に逃げられてしまいます。

b. スタッフへの接し方
 面接官が応募者をチェックするように、応募者もお店に一歩足を踏み入れた瞬間から「働きやすい環境かどうか」をチェックします。

c. 採用通知の仕方
採用通知の時に、「一緒に働きたい」という気持ちを一言添えると応募者のモチベーションはぐっと高まり、採用辞退が減少します。

2)優秀な人材を定着させる仕組みを作る
逆説的になりますが、一番費用対効果が良いのは、既存のスタッフを辞めさせないことなのです。
既存スタッフの在職期間を最大限伸長させることが大切なのです。
つまり、辞めてほしいと思うほどの問題が無いスタッフであれば、多少の懸念点があっても、新規採用者に比べれば業務への精通や理解を含めてハイパフォーマンスであることは間違いありません。
よって、去る者は追わずというスタンスでは募集費用も莫大に掛かりますし、新人が増えますので店舗オペレーションは低下し、そのあおりを受ける形で中堅スタッフの負担が増えて、退職を更に増長させるという負のスパイラルに陥ります。

では、その対処法ですが、まず、採用前にすべきこととしては[すぐ辞めるような人を採用しないこと]です。
いくら人が採れないからといって、自社に対するしっかりとした理解や共感がない人材を安易に採用したり、過分な賃金や処遇を用意したとしたら、そのような要因で入社した人は早晩辞めていくことは目に見えています。
また、採用後にすべきことは、スタッフが何か不満を抱えていないかをチェックする機会を設けることです。具体的には、メンターとして先輩社員を教育係につけたうえで、定期的な面談を直属の上司や人事部が行うといったフォローとしての施策が欠かせません。
さらには、定期的に研修などを行うことにより、本人の能力やスキル、場合によってはメンタル面の状況をチェックし、それに対する教育やカウンセリングなども並行して行うことで効果が大きくなります。
このような現場と連動した施策立案と運用ができるかどうかで、スタッフの定着度が決まるといっても過言ではありません。

仮に採用単価10万円だとしましたら、ひとり採用するための、その10万円は利益の10万円です。営業利益率10%としましたら、アルバイトひとり採用するには売上を100万円上げなければならないのです。

厳しい人材不足時代を乗り切るには「人を集める仕組みと優秀な人材を定着させる仕組み」のふたつの仕組みを作り上げる必要があります。

では!また。

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