店長のポスト不足と転職

店長のポスト不足と転職

転職について考えさせられるケースを紹介しよう。

そのホール企業は10店舗のチェーン店を経営している。業績はそんなに悪くはない。

同社の求人広告に大卒入社13年目チーフリーダー(35)が先輩社員からのコメントとして、残業がない定時退社をアピールしている。仕事と家庭が両立できることが会社のセールスポイントでもある。

今後の目標はマネージャーを目指し、いずれは店長になることを最終目標としている。

同社をこの夏退社したAさん(39)が辞めた理由をこう打ち明ける。

「マネージャーだったんですが、ウチの会社ではなかなか店長になれないので、辞める決心をしました。店長が辞めないのでポストがないからです。ウチの会社は拡大路線でもなく、堅実派なので店も増えません。店長は部下を上に引き上げる評価もしない。上に引き上げたら自分のポストが危うくなるからです。店舗数が減ればますますポストがなくなります。社長自身厳しいことを言わないので、社内には競争もありません」

求人サイトの先輩社員が13年経ってもチーフリーダー、というのは入社を希望する上昇志向の人にとっては、マイナスに針が振れる。店長になるのに何十年もかかるようでは現場が活性化していないことを表し、下の不満は充満していることも想像できる。

別のホール企業に勤めていたBさん(42)は、主任止まりで、今の会社では店長になれないと思い転職を図った。入社時は副主任からスタートして数年で店長に昇格した。

ところが店長になれたにも関わらず、Bさんは転職したことに後悔している。前職では主任で年収は550万円だったが、今度の会社は店長でも570万円だった。前職は店長なれば1000万円も夢ではなかったので、落胆ぶりは想像に難くない。

前職は無借金経営で地元では優良企業として知られていた。東日本大震災の時は被害のなかったホールでも輪番停電の電力事情などを考慮して、2週間あまり休業にしたホールもあったほどだ。転職先は3店舗の零細ホールで今まで当たり前に出ていたボーナスも出ないような台所事情だ。

Bさんは「外に出てみて、前の会社は幸せな会社だったということが分かりました」と反省の言葉が口をついて出る。

新店の数よりも閉店する数の方が上回っている昨今、ホール軒数は年々減少する。ということは店長になりたくても、ポストがない。これはどこのホールでも現実問題として起こっている課題である。

そんな環境の中で自分のモチベーションを高めるためには、自分のやるべきことを好きになることと、モチベーションが高い仲間が集まる環境に身を置くことだ。

自分がやっていることを好きになるには、自分で自分のことを毎日コツコツと褒める習慣を付けることだ。自分のやっていることが認められれば、何事にも意欲的に取り組むことができるようになる。

人間は環境に左右されやすいので、周りにやる気のない人間ばかりいれば、やがてその輪に入ってしまいがちになる。お互いのモチベーションを上げられる仲間と一緒の環境に身を置くことだ。

モチベーションが下がった状態で転職しても道は切り開けない。

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