脳梗塞とパチンコ

パチンコ大好きのおばあちゃんが脳梗塞で倒れ、病院へ2週間ほど入院した。それをきっかけにマイホールに姿を見せなくなった。

1カ月が過ぎ、2カ月が過ぎた。

常連客だったおばあちゃんが姿を見せなくなって、知り合いも「どうしたんだろうか」と気にはかけていた。

1年が過ぎると、おばあちゃんの年も年なので、仲間内の間では死んだことになり始め、おばあちゃん死亡説が独り歩きするようになった。

その噂話をホールで小耳に挟んだのが、ある病院のドクターだった。このドクターは、パチンコ好きでたまに気晴らしに打ちに来ることがあった。

このドクターはおばあちゃんの主治医でもあった。しかし、ドクターには守秘義務があるので、おばあちゃんが脳卒中で倒れたなんてことは言えなかった。

おばあちゃんは退院して、今は定期的に通院していた。ダクターはおばあちゃんが死んだことになっていることを話した。守秘義務があるので、おばあちゃんのことは話さなかったことも説明した。

「それじゃ、皆に元気な姿を見せに行かなくっちゃ」とおばあちゃん。

「タバコの煙は脳梗塞には悪いので行っちゃダメ」とドクター。

「あの世に行っていることになってるのなら、本当のことをしゃべっちゃって」とおばあちゃん。

ドクターからおばあちゃんの様子を聞いた仲間6人が、おばあちゃんが通院する日に病院で再会することになった。

ドクターが勤務を終えるのを待って、8人でお茶をした。

この話を聞いた店長は、さっそくオーナーに報告した。

オーナーはパチンコ好きのおばあちゃんがホールに来られるようにするために、全面禁煙を決意した。1人のお客さんのためかも知れないが、遅かれ早かれ来年4月からは屋内禁煙になる。それなら、早めに禁煙にしてしまえと思ったが、現場の抵抗は激しかった。

ただでさえ稼働が落ちているところで、全面禁煙にするとタバコの吸える競合店へお客を取られてしまう、というのが現場の反対理由だった。

「禁煙は全国一斉にしないとダメ」という現場の声に押されて、オーナーは全面禁煙に踏み込むことはできなかった。

で、パチンコ好きのおばあちゃんが取った行動が凄かった。

月1回ほど、タクシーでマルハン千葉北店へ行くようになったそうだ。ここならドクターストップのかかるタバコの煙の心配もいらない。完全分煙の店舗が一人のお客さんを獲得したことになった。

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