パチンコ業界に広めたい認知症サポーター

認知症のドライバーがアクセルとブレーキを踏み間違える事故が頻発したことから、自動車メーカー各社は、踏み間違いを検知する対応車の販売を迫られた。高齢者に支えられるパチンコ業界も、認知症問題は決して対岸の火事ではない。

常連客のお年寄りがいつものようにパチンコを打っていた。何台か台を替えたところで、従業員を呼んだ。

「財布の中にあったおカネがない」
「いくら入っていたんですか?」
「3万円ちょっとはあった」

おじいちゃんはてっきり、財布の中身を落としたものと思い、「おカネの届け出はないか?」と聞いてきた。

従業員が協力してホールの隅々を探したがお札は落ちてはいなかった。

従業員の一人が「全部使っちゃったんじゃないですか?」と店長に進言した。
おじいちゃんは「交番へ届ける」といって店を後にした。

監視カメラの映像で確認してみた。そこにはおじいちゃんが、何台も移動してそのたびに、お札を投入する姿が映し出されていた。その映像を確認する限り、全部使った可能性が高くなった。

おじいちゃんは全部使ったにも関わらず、財布の中身がないことを落としたものと思い込んでいる節がある。認知症と思われる。

また、こんな事例もある。高齢の常連客の中には、トイレや食事に席を立った時に、自分の打っていた台が分からなくなる。それが一度や二度ではない。席を立つたびに同じことが起きる。

傍から見ると認知症に見えるのかといえば、そうではない。普通に会話もできるし、会話していても何らおかしいところはない。1パチ専門で、貯玉もやっているが、貯玉のやり方や引き出し方はちゃんとできる。

ただ、問題なのは席を立つと自分が打っていた台が分からなくなる。こういうケースは決して珍しいことでもない。認知症が進むと遊技中に失禁して椅子まで濡らしてしまうこともある。

お年寄りの憩い場となっているホールが、高齢化社会と直面するに時代にあって、居場所を求めるお年寄りと共生できる新しい役割が求められようとしている。

厚労省が広めている認知症サポーター制度はぜひとも取り入れてもらいたい。遊技客の認知症問題の一助になる。

認知症サポーターになるためには、自治体などで認知症サポーター養成講座を受講する必要がある。時間にして90分ほど。標準教材を使いながら認知症の正しい知識を学び、認知症の人やその家族を温かく見守る応援者となることを目的としている。

サポーターの目印は「オレンジリング」で、認知症が疑われる人には積極的に声掛けして手助けする。

この活動は企業単位でも行っている。厚労省も認知症に理解のある企業を増やすことでバリアフリーの社会を目指している。

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