ホール経営者になれるホール企業

今春卒業予定の大学生や高校生の就職内定率が、景気の悪化で企業の採用選考が厳しくなったために低下している。昨年12月1日現在、大学生の内定率80.5%は5年ぶりの低下だという。

年が明けて景気後退はさらに悪化するものと思われるが、一方ではピンチの時こそチャンス!と捉えるホール企業もある。この1月から150人の正社員採用を開始したP社がそれ。

不況で倒産した企業のサラリーマンや内定取り消しの学生ら優秀な人材を確保する狙いがあるが現在ホールは7店舗。大手チェーンとはいえない規模で150人はいかにも多すぎると思われる。

しかし、その背景には業界初ともいえる“のれんわけ”制度があった。

そもそも、ホール企業へ就職しても社長にはなれないという業界事情がある。社長になれるのは身内、というのが業界常識。上昇志向の強い社員はどれだけ頑張っても社長になれないのなら、とパチンコ業界から去っていくものも少なくない。

そうした業界の常識を打ち破り、昨年9月から独立採算制の事業部制度をスタートさせた。
各店舗のトップには事業部長が就任。事業部長と社長の間で、本社に納める一定額が取り決められているが、現場の采配はすべて事業部長にゆだねられている。つまり、機械代、人件費、設備投資、諸税などのことまで、事業部長が経営者として手腕を奮うことができる。

稼動を上げ、利益を確保するためには新台をどんどん入れ替えようが、中古を多用しようが事業部長の判断。一国一城の主になれるわけだから、やる気のある社員にとっては非常にモチベーションが上がる。

事業部長の中には27歳、28歳という若さで昇進した人もいる。しかも派遣スタッフやアルバイトから這い上がってその地位をつかんでいる。アルバイトからでも社長になれる夢への第一歩が踏み出されたわけだ。

夢を夢で終わらせるのではなく、実現へさせる姿勢は、まさに企業理念の「夢は絶対に叶う!」を実践している。

独立採算制はホール運営からスタートしたが、その枠にとらわれることはない。景品のネットショップや店長派遣など社員の自由な発想で事業部を増やし、2020年までには100人の社長を輩出する壮大な目標がある。そのためにも150人の新規採用に踏み切ったわけだ。

イメージとしては昔、放送されていたテレビ番組の「マネーの虎」だ。社長は投資家。社員のプレゼンに対して投資すべきかどうかを判断する。
経営の神様ともいわれる松下幸之助は「不況もまたよし。危機は発展の好機である」と説いているように、P社のような発想が不況を克服していく。

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