営業の極意

営業の極意

ある会社の社長に出会った。
会社を興して6年になる。地銀出身で営業畑を13年ほど歩んでいた。行員時代、営業成績は250人中で常にベスト10入りしていた。

営業の面白さにかまけて、ついつい昇進試験を受けなかった。同期が次々主任になる中、営業成績はよかったが、出世では遅れを取った。

四国から転勤で大阪へ赴任したのはバブル前夜。

地方では個人を相手に定期預金などを集めていたが、大阪では企業の貸付を担当した。得意先の社長が3000 万で買ったマンションが地上げにヒット。立ち退きをごねていたら表8000万、裏4000万の計1億2000万をもぎ取った。土地は永久に上り続けると思 われた時代。不動産投資する客に対して、銀行も公示価格ではなく路線価で満額融資した。客は転がすことが目的で、3カ月ぐらい寝かして転売すると3000 万ぐらいの鞘が簡単に抜けた。銀行マンが定年まで働いても到底手に出来ない退職金の額を客はいとも簡単に儲けていた。大阪ではそんなバブルと同時代を過ごした。

再び、地元へ転勤になった。個人相手の営業に戻った。億単位の金を動かしていただけに激しい落差を感じた。一緒に遊んでいた先輩が「高卒では支店長にはなれない」という言葉を残して退社した。
おりしも大阪で暮らす奥さんの母親が病気になった。奥さんは大阪へ帰って親の面倒を見たい、といってきた。複数の要因が重なり、13年勤めた銀行を辞める決意をした。

32歳で再び大阪に出てくる。

職のあてはなかった。就職情報誌で探した会社が台所用品の訪問販売の会社だった。
元来、営業好きだったため、メキメキ頭角を現した。
13年かかっても主任になれなかったのに、試用期間の3カ月で主任、半年後には部長になっていた。

営業の極意を自分なりに編み出した。
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飛び込み営業。まず9割は拒否反応を示す。インターホンをガチャンと切らせず、相手に「ごめんね」といっていわせる方法や夜訪問したときのドアの開けさせ方を考えだした。家に上りこむまでが一苦労だ。客に警戒されるので商品は絶対に持ち込まなかった。リビングの中にある豪華で高そうな物を探して必ず褒める、など独自のノウハウを考え出した。ちなみに、スリッパを出してくれる客は、まず買ってくれるそうだ。そこまで気配りができる人は断らないらしい。
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この仕事を4年あまり続けて独立に至る。

今でも社長自らトップ営業を続けている。
パチンコ業界へも参入を始めた。商談の席では必ず大学ノートを広げてメモを取る。
そのときにこっそり、相手が吸っているタバコの銘柄をメモする。
大口契約を取るためには次に食事に誘う。

この時相手が吸っている銘柄を必ずひと箱忍ばせておく。2軒目ぐらいで大抵相手がタバコを切らしてくる。相手が空き箱を丸めたる絶妙のタイミングで、さりげなく相手が吸っている銘柄のタバコを差し出す。

これで相手の気持ちをぐっと掴むことができる。珍しい銘柄を吸っている客なら効果はてき面だ。
感動がその後の商談をスムーズにさせて一気にクロージングへと持ち込む。

名づけてタバコ銘柄作戦。営業に伸び悩む人は一度お試しあれ。

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