管理職の器

管理職の器

あるホールで新台入替が行われた。台数は10台。深夜、釘調整を終えガラスを入れるときになって、「5枚足りません」と主任から報告が上がった。

今回は面替えだった。部長は新台を発注するときに、主任にガラスがあるかどうか確認した。主任はよく確認もしないで「あります」と答えた。

新台入替で営業は明日の朝10時からだ。自分のミスに主任はうなだれるだけ。このままでは営業ができない、と部長はオロオロするばかり。

2人のやりとりを聞いていたコンサルタントが一喝した。

「部長がどうしよう、どうしようで、そんな頼りない部長に部下がついてくるわけがない。問題があったらどんなことでも自分に任せろ、というぐらいじゃないとダメだ。明日の朝から平常通りに営業できることを考えろ。今すぐメーカーの営業マンに電話しろ!」

「今、夜中の2時ですよ。こんな時間に電話するんですか?」としり込む部長。

「いいから電話しろ!」

恐る恐る電話を入れる部長。

電話はやがてつながった。下手に出るやりとりを聞いていてコンサルは再び吠えた。

「そんな言い方じゃ、ダメだ。電話を代われ」とケータイを奪うと機関銃のごとくまくし立てた。

「ガラスがない?ショールームにあるものを外してでも明日の朝までにもってこい。じゃないと、勝ち込みいれるぞ!」

ガラスは開店前までに無事届けられた。

コンサルは部長にこうアドバイスをした。

「無茶なこといって受けてもらったら倍返しだ。一緒に食事して、次の新機種は無条件でその営業マンから買ってやれ。そうすれば、営業マンの成績にもなる」

こういうやり方が全てではないが、人身掌握術の一つの方法である。

主任、店長、部長、と役職が上るごとに器というものが必要なわけだが、部長職たるものこれぐらいできないといけないようだ。

以上

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