着実に進む大手の在宅勤務とその影響

サッポロビールとLIXILのテレワークの実態をオンラインで聴講する機会があった。共に日本を代表する大企業だが、想像以上にテレワークが進んでいた。

特に驚かされたのはLIXILだ。同社は昨年12月に東京都江東区のLIXIL WINGビルに本社機能を集約したばかりだった。都内などに分散していた事業所を本社に移転。約5000名の社員が部門を超えたコミュニケーションができる新しい職場環境作りのために、さらにチームの生産性を高める場が本社移転だった。

その矢先に新型コロナウイルスが発生する。2月26日には社員の健康と安全を第一に考え、時差出勤と在宅勤務を推奨する。出社率を40%に抑えた。週3回以上を在宅勤務とした。

緊急事態宣言が解除された現在、本社の出社率は上がったのか?

6月1日以降も40%を上限としているものの、99%が在宅勤務を続行している。何と本社に出社しているのはわずかに50名程度、という。

部門を超えたコミュニケーションができる新しい職場環境はどこへ行ってしまったんだ。

営業職3000名は訪問営業を行っていたが、それがZoomに取って代わった。リアルな営業では1日数軒しか回れなかったが、それがオンラインによって1日10~20軒の商談が可能になった。ビジュアルを使いながら効率的に商談を行っている。

会社の会議もZoomに代わった。

「Zoomのミーティングは役職によるヒエラルキーがなくなった。Zoomのミーティングはフラットなので活発なコミュニケーションアが生まれるようになった。自らが推し進める働き方改革は難しいものがあったが、コロナが改革のスピードアップを図る役目をした」(同社 飛田裕司常務)と言うように社員はオンラインを上手に使いこなし、対応能力の高さを示している。

一方のサッポロビールも6月1日からの新しい働き方では、社員の健康と安全を第一に出社比率は50%を上限としている。

そこには髙島英也社長の「新しい働き方でサッポロビールは先頭を走ろう」との想いがある。

オフィス内では、隣りあわせや対面で座らず、はす向かいで着座。しかも2メートル以上空けるようにしている。その他、昼食時間はずらす、会議は30分、エレベーターは4人までと細かく決められている。

「オフィスをリニューアルしたばかり。会社にいないとできないと思っていたことが、在宅でもできることが分かった。テレワークが当たり前になる中で、オフィスは大きさよりもオフィスの在り方そのものを再検討しなければなりません」(同社 森本真紀総務部長)

サラリーマンは毎日満員電車に乗って会社へ行くことが、当たり前だったが、コロナによって既成概念がものの見事に打ち破られてしまった。出社比率を40~50%に抑え、在宅勤務が継続されるのであれば、社会の在り方も変わる。

大企業が率先して在宅勤務を増やして行ったら、オフィス街の周辺産業は相当な痛手を被ることになる。

影響を受けるのが、サラリーマンの仕事終わりの余暇の過ごし方だ。出勤しなければ会社帰りにパチンコもしなくなり、飲みに行く機会も減っていく。夜のサラリーマン客が戻ってこない原因はこんなところにもある。

そのうち、在宅ワークでも色々な問題が生じてくることは想像に難くない。ストレス解消に地元のホールが賑わってくれればいいのだが。

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