ホールと言う受け皿があったから目標に進める

かつて、フジテレビ系で容姿に自信のない女性の悩みを美容整形で解決させる「ビューティーコロシアム」という番組が放あった。2001年から2011年まで10年近く放送されていたので、観たことがある人なら登場する女性がどんなレベルで、どこまで変身できたかが分かるだろう。

今回の主人公Aさん(24)の容姿はビューティーコロシアムに出場できるレベルだ。本人も整形するために美容外科のドアをくぐった。歯並びが酷く、顎を切断して歯を全部入れ替える大手術に鼻や目も整形する見積もりを取ると1000万円以上も必要だった。シミュレーションで整形後の顔も見たが踏み込めなかった。整形大国の韓国でも見積もりを取ったが750万円で整形を躊躇させた。

Aさんは3度の食事よりも大のアイスクリーム好きで、休日には全国各地のアイスクリーム屋を巡るほど。自宅に住んでいるので給料は全部アイスクリームにつぎ込んでいる。ただ、アイスクリームは冷たいのですぐに下痢をする。整腸剤のわかもとは手放せなかった。ビールを飲んでも下痢するので熱燗にしている。通常は4錠なのにAさんは6~8錠も服用して下痢に備えながらアイスクリームを食べる。

アイスクリーム好きのAさんは女子高を卒業すると大好きなアイスクリームに囲まれながら働きたいと思い、アイスクリームショップを片っ端から受けたが10数社全部不採用だった。

その理由はやはり容姿だった。それ以外にも数々の業種の面接を受ける中で、初めて採用されたのが、現在の職場であるパチンコホールだった。契約社員で働き始め5年目に入った。時給は1550円まで上がった。

1カ月の手取りは18万5000円。全部アイスクリームに消えている。

女子高で育ったので異性と話すこともなかったが、容姿が原因であることは自覚している。ホールで働き始めたらお客さんから声を掛けられると思っていたが、5年経ってもその兆候はなかった。共通の趣味であるアイスクリーム同好会でも男性から声を掛けられることはない。

ホールのオーナーはちょくちょく店に顔を出すタイプだった。Aさんは自分がアイスクリーム好きであることをオーナーに話すと、アイスクリーム店のフランチャイズをやる時は「店長にしてやるよ」と言われた。それも最初の1~2年で、最近は避けられている。

それも自分の容姿のせいだと自覚しているが、採用されたことには感謝している。

Aさんには夢がある。国立大学へ進学してアイスクリームメーカーに就職することだ。本人曰く「地頭はいい」。学費を捻出するために大好きなアイスクリームを断って貯金するとともに、勉強することにした。ホールと言う職場があるから目標に向かって進める。

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